残したい島の記憶
古い瀬戸内の写真を見ると、風景は人が作るということがよく分かります。
山の頂まで届きそうな段畑や、農地として開き尽くされた丘、港を埋める漁船。
別世界のような風景は、そこに関わった人々の多さを教えてくれます。
その場所で撮る一枚の写真の力強さと記録性の高さ。
好きな写真を通し、何かできることはないだろうかと考えていた時、
被写体として身近な島が選ばれることに、時間はかかりませんでした。
瀬戸内に住むことを活かす意味でも、島の記録を写真で残してゆこう。
変わりゆく風景を後世に伝えるという思いを込め、
『島プロジェクト』の活動は始まりました。
島々を巡ることで、見えてくるものを伝える
実際に島を訪れ、限られた土地の中で自然と共存する人々の姿を目にすると、
島は日本という島国の縮図であるということを強く感じます。
そして、そこに起こる問題は、この国が抱える問題を明示していると気づきます。
訪れる島の数を重ねてゆく中で、進行形の問題を目の当たりにしました。
写真を撮りためるだけではなく、島の現状を今生きる人達へ伝えてゆく必要性を感じ、
島の魅力を広く発信しようと『Shima Project Web.』の開設に至りました。
人が暮らし、人が関わることで生み出される、美しい島々の風景。
私たちの活動を通し、一人でも多くの方が島へ興味を持ち、
実際に足を運ばれることを願っています。
島プロジェクト 縄田 満・中川 智晴