『伯方島』を写真と紀行文で紹介 | 島プロジェクト

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ReportNo-06.pngかつて村上水軍の支配下だった、
塩田と機帆船の島
伯方島Hakata-jima

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▲開山。菜の花と桜が見頃を迎えていた

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▲何故か懐かしさを覚える参道

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▲赤い屋根が印象的な園舎と桜

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▲集落を繋ぐ伯方島の循環バス

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▲干潮の海岸線から鶏小島を望む

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▲仄かなピンク色に染まりゆく船折瀬戸

尾道からしまなみ海道を通って、瀬戸内海の中央部に位置する芸予諸島の一部『伯方島』へと向かった。道すがら頭の中を『伯方の塩』というCMの歌がリフレインする。小気味良いリズムと力強い歌声が頭を離れず、知らず知らずの内に口ずさんでいた。
そうこうしている内に伯方ICへと到着。降りてすぐに目につく道の駅『マリンオアシス伯方』に立ち寄り、伯方島オリジナルの地図や情報を収集したのち、開山(ひらきやま)を目指して海岸線を伊方方面へと向かった。

開山への途中、瀬山(しやま)へ寄り道をし、本州四国連絡橋の3ルートで最初にかけられた『大三島橋』を間近に望む。通行中は、瀬戸の景観に目を奪われがちではあるが、こうして見上げるように間近で橋を見てみると、その大きさに改めて驚かされる。設計者もさることながら、実際に工事をした作業員の方々の技術と度胸に賞嘆しつつ瀬山をあとにした。

開山は千本桜で有名な桜の名勝地で、伯方・大島大橋、大三島、多々羅大橋が一望できる伯方島有数の観光スポット。ちょうど花見シーズンだとはいえ、これまでの経験からそこまでの人はいまいという予想をしていたが、ほどなくその予想が甘かった事に気付く。麓に到着すると、ガードマン数人が交通整理をおこなうほどの混雑ぶりで、頂上付近にある駐車場まで車が連なっており、山頂には大勢の花見客と想像以上のカメラマンで溢れ、名勝地ならではの賑わいに圧倒される。斜面の一部を埋め尽くす菜の花畑。山頂に咲き乱れる桜。見晴らしの良い展望台からは、瀬戸内海の多島美が存分に堪能でき、ここで思い思いに被写体を探したあと、満開とはいかないまでも美しく咲き誇る桜を眺めながら昼食を済ませて下山した。下山してみると、車列は登山口に繋がる麓の道路をも占拠し、渋滞はさらに酷くなっており、午前中はやくに訪れて良かったと安堵した。

次に向かったのは673年に創建された『喜多浦八幡神社』。小高い丘の上に建てられた雰囲気の良い神社で、今回の島巡りで一番印象に残っている場所だ。石段が続く長めの参道には木洩れ日が落ち、森厳なる情景を演出しているかのようにも感じ、また一方では、子供の頃の記憶が甦ってくるかのような懐かしさにも似た感覚を憶えた。神社の隣には幼稚園があり、園内に植えられた桜がちょうど見頃を迎えていた。風吹くたびに園庭に散る桜。その光景も情緒的で、懐かしさを感じるものがあった。この神社に着いたときに『どこから写真を撮りにきちゃったの?』と声をかけてくれた方に、島で穫れた果物をいただいた。島を巡って思うのはそこに住む人々の気さくさ。気軽に声をかけていただけることがなんとも嬉しい。

開山と喜多浦八幡神社で思った以上に時間を費やしてしまったため、急いで『ふるさと歴史公園』へと向かう。ここにはなんと中世の山城を復元した城があり、ここで発掘された古墳や製塩などの資料が提示されてある。ちなみに最上階の3階まで上ることができ、ちょっとした城主気分になれる。メンバーの一人が最上階で城主気分を満喫している所を下から撮影し、私は一足はやく駐車場へと戻った。駐車場からは伯方造船が見下ろせ、造船所の前に整然と並べられた大型船が面白い光景を作っている。その光景を、私よりも早く駐車場へと戻っていたもう一人のメンバーが楽しそうに撮影していた。そんな風に此処での時間を個々に楽しみ、次の目的地へと向かった。

予定を大幅にオーバーし、残り時間が少なくなってきたため、木浦の伯方港(木浦港)周辺で15分程度の散策。有津(あろうづ)の辺りで30分程散開。という風に、伯方島の町並みを足早に撮影することになり、メンバー全員が消化不良のまま集合ポイントで落ち合う事になった。集合後、海岸線を走って最初の道の駅まで戻る。まだ内陸部へ行っていないが、日も傾いてきたので夕景のポイントを模索する事に決め、一人は『鶏小島』を眺めるポイントへ。もう一人は『船折瀬戸』と言われる潮流が一望できる『観潮台』へ。そして私は『船折瀬戸キャンプ場』へと向かった。

有津(あろうず)と鵜島の間の狭い海峡を『船折瀬戸(別名/有津瀬戸)』と呼び、 激しい潮流が海の難所として有名。なんでも潮流に逆らって航行すると船が真っ二つに折れることが名前の由来だとか。古くから海上交通の要所だったため、木造船ばかりの頃は、潮の流れが進行方向に変わるのを待って航行していたそうだ。各々その船折瀬戸の近辺でしばらく夕景を堪能し、帰路へと着いた。

島が大きくあまり町並みの撮影に時間が費やせなかった事がとても残念。次回来島のチャンスがあれば、ぜひ村上水軍の名残りや塩田、機帆船の町として知られた伯方島の町並みや生活をカメラに収めたいと思う。

文/中川智晴
参考資料/日本の島ガイド シマダス(財)、今治地方観光協会 伯方支部、他

-伯方島 DATA-
◎所在地/愛媛県越智郡
◎面積/20.84k㎡
◎周囲/53.5km

◎宿泊施設/あり
◎お食事処/あり
◎公衆トイレ/多数あり
◎駐車場/あり
◎島内交通手段/あり
・バス
・レンタサイクル( 詳細はコチラ )


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